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法話
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諸法無我(しょほうむが)-差別の無い完全無欠の世界-   --7月--

三法印のうちの言葉です。
お釈迦様のお悟りの世界を示された一つの表現です。
この世界のすべての存在や現象はすべて因縁果の流れによるものだということです。
すべての存在や現象には「我」というものはありません。

別々個々の存在や現象はただただ因縁果によるものであり、それは差別の無い
完全無欠な存在であるのです。
はじめから随分難しい話になってしまいましたが、私なりに
やさしく説明してみたいと思います。

以前、「諸行無常」について述べましたが、
ほとけの世界を「縦の形」で表したものが諸行無常であるとすると、
諸法無我とは「横の形」で表したものと言ったら良いでしょうか。
つまりほとけの世界を縦に見た場合と横に見た場合の違いだと思えばいいでしょう。

ではその意味はどういうことでしょう。
一言で言えば、この世界に存在するものはすべて完全平等であるということです。
不平等なものは何一つなく、それは同時に完全無欠なものであるということです。
しかし、現実人間はほとんどすべてのものに様々な「程度」や「質」の基準を設け、
すべてをそれに当てはめ価値の序列をつけてしまっています。

もちろんそのことで社会生活に目的意識と達成感が生まれ、
人間社会は機能的に動いているといえます。
実に有効な人間の知恵と言ってもまちがいありません。
文化文明の発展の礎とも言えましょう。

しかし、現実そのことですべてが必ずしも上手く行ってはいないのです。
ひとはどうしても価値あるものを求めます。財産、地位、権力、体力、知力等々。
なぜでしょう。
それは価値あるものこそ幸福のバロメーターだと思い込んでいるからです。

誰でも幸福になりたいのですからそれはよくわかります。
しかし、その「競争」により必ず格差が生まれます。
その格差が「差別」を生み出しているのです。
「負け組み」「勝ち組」が生まれているのです。

ここで問題にしたいのは、誤った価値観から生まれてくる「差別観」なのです。
真の価値観がわからないためにそこに差別観が生まれているのです。
真の価値観とは何か、ここで少し考えてみましょう。
人間社会においては、鉄一貫目と金一貫目の価値は、当然金にありますね。

社会通念上その認識は当たり前のことです。
そしてこの観念はその他全てのものに対してもそうなのです。
お金持と貧乏人。社長と社員。大学卒と高校卒。成績優秀者と成績劣等者。
頭の良い者と悪い者。 体力の強い者と弱い者。運動能力の高い者と低い者。

歌の上手い者と下手な者。背の高い者と低い者。足の長い者と短い者。
美人とそうでない者。長男と三男。既婚者と未婚者。嫡子と非嫡子。男と女。
若者と老人。 健常者とハンディキャップ者。等々挙げればキリがありません。
しかし、結論から言って、これらは全くの妄想なのです。

無いものを「有る」と思い込んでいるだけなんです。
諸法無我とは存在する全てのものや現象は完全に平等だと言っているのです。
男も女も、老人も若者も、健康人も病人も、その本質から全く優劣が無いのです。
お釈迦様は宇宙の真理を発見されました。その真理が「法」なのです。

「一切皆空、悉有仏性」と看破されました。
この世もあの世も区別とか差別とか元来全く無いのです。
実際区別と差別の世界で生きているのは人間だけなのです。
その区別と差別意識という妄想により自らを四苦八苦の世界に落とし入れているのです。

早くその妄想から眼を覚ましなさいと仏様が訴えています。
世間虚化唯仏是真とは聖徳太子のお言葉ですが、真実を教えてくれているのが仏教なのです。
合掌                          

       


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