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曹洞宗 正木山西光寺

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法話

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四諦--苦諦その4 病苦その2 病気にならない生き方その26
―腸内フローラ― 腸内細菌の驚異その2 平成27年11月

「腸内フローラ」…だいぶ聞きなれてきた言葉ですが、人の健康にとって切っても切れない関係と言われる腸内細菌について、今回は「NHKスペシャル」で放送された「腸内フローラ・驚異のパワー」の中からご紹介したいと思います。

腸内フローラの研究が進み、腸内細菌の実態がわかってきたのはここわずか5〜6年のことで、世界中で次々と国家プロジェクトが始動、最先端の遺伝子解析によって新しい菌の発見が相次いでいます。

ガン、糖尿病、肥満、アレルギーなど、これまで考えもしなかった病気が腸内細菌と関わっていたことが分かり、すでに30以上の病気で腸内フローラとの関係が見つかっています。

そして腸内細菌の影響は何と脳にまで、性格や感情などをも変えるというのです。
さらに美容にも、腸内細菌が出すある物質の力でお肌の皺が減少することも分かりました。
どこまでいくか予想もつきませんが、腸内細菌の研究は医学を大きく進歩させることは間違いありません。

熱い注目を集め始めた腸内細菌の世界ですが、その生態系を調べることで医療の大転換になるのではないかと、遺伝子解析の第一人者、東京大学の服部正平教授は述べています。

5〜6年ほど前から腸内細菌の全体像が分かるようになりリストアップできるようになってきました。
腸内細菌は人それぞれ違っていて、人は一生涯それぞれその人の腸内フローラのタイプを持っていて、少しずつ変化するがあっても大きく変わることはないそうです。

腸内フローラのタイプでその人の健康や性格が決められているとして、もしその腸内フローラがコントロールできるとしたら、人の病気や健康や性格などは改善できるということになります。
だとしたら、これは人類にとってまさに画期的なことではないでしょうか。

腸内細菌が全身に影響を与える・・・それを世界に知らしめたのは、肥満に関するある研究でした。
発表したのは腸内細菌の研究で世界のトップを走る科学者で、ジェフリー・ゴートン博士(ワシントン大学医師・生物学者)です。

博士は大胆な実験を行いました。
完全に無菌状態の中で、あることをして特別なマウスをつくりました。
肥満の人と痩せている人の腸内細菌をそれぞれのマウスに移植し、人間の腸内細菌を持ったマウスをつくったのです。
餌や運動量など同じ条件で育てました。 すると驚きの結果が現れました。

痩せた人の菌を与えたマウスは脂肪の量が変化なし。
ところが肥満の人の腸内細菌を与えたマウスはどんどん脂肪が増え太ってしまったのです。何度やっても結果は同じでした。

肥満の人の腸内細菌をもらったマウスは太ったのです。
肥満の人の腸内ではある種の細菌が少ないことがわかりました。
それがバクテロイデスという菌で、その菌が出す短鎖脂肪酸に肥満を防ぐ働きがあったのです。

その仕組みです。もともと肥満は脂肪細胞が脂肪を取り込むことで起こります。
血管を流れる脂肪を取り込みつづけどんどん巨大化することで太ってしまうのです。
バクテロイデスが出す短鎖脂肪酸は腸から吸収され血液中に入ります。

短鎖脂肪酸は全身に張り巡らされた血管を通して体の隅積みまで運ばれていきます。
その短鎖脂肪酸が脂肪細胞に働きかけると脂肪の取り込みが止まります。
つまり短鎖脂肪酸が余分な脂肪の蓄積を抑え、肥満を防ぐことが分かったのです。

短鎖脂肪酸にはもう一つ別な役割がありました。
それは筋肉などに作用し脂肪を燃やす働きです。
脂肪の蓄積を減らし、脂肪の消費を増やすという全身のエネルギーのコントロールをバクテロイデスという腸内細菌が行っていたのです。

これは一つの例ですが、腸内フローラの研究がまさにこれからの医学に革命を起こそうとしているのです。
すでに腸内フローラの秘められたパワーが実際の治療に生かされ始めています。
アメリカ政府が支援するベンチャー企業では腸内フローラで糖尿病を治すというまったく新しいタイプの薬を開発しています。

糖尿病は血糖値の調節に欠かせないインスリンが出にくくなる病気です。
その原因として腸内細菌がつくる短鎖脂肪酸が関係していることがわかってきました。
短鎖脂肪酸の量が減ると、インスリンの量も減ってしまうのです。

では短鎖脂肪酸を増やすにはどうすればよいのか。
この企業では短鎖脂肪酸を作る細菌を増やそうと考えました。
そして菌を増やす効果がある食物繊維などの成分を配合してある薬を開発しました。

糖尿病の研究でアメリカをリードする医師の一人、フランク・グリーンウエイ博士(ルイジアナ州立大学)は、患者にこの薬を飲んでもらい腸の中で短鎖脂肪酸を作る菌を増やし、二週間後食事の後のインスリン量の変化をみました。
結果、その薬を飲んだ人は食後のインスリンが出やすくなっていました。

腸内フローラの力を利用して糖尿病が改善できることがわかったのです。
グリーン博士は、「医学は進歩してきましたが、未だに糖尿病を克服するには至っていませんが、腸内フローラを変えるというまったく新しい方法を見つけたことで、糖尿病治療は大きく進歩することでしょう」と語っています。

さらに人類の大敵ガンの予防に役立てようとする取り組みも始まっています。
癌研究会有明病院では患者や健康診断にきた人から便を集め、腸内フローラを調べるプロジェクトを始めました。

リーダーの原英二医師はガンを引き起こす菌を見付けました。
遺伝子解析の結果新種であることがわかり、アリアケ菌と名付けました。
アリアケ菌が出す物質DCA、これがガンの原因となっています。
DCAは人の細胞に作用して細胞老化を引き起こします。

老化した細胞は発ガン物質をまき散らし、周囲にガンを作るのです。
この研究は科学雑誌サイエンスで年間の最重要項目の一つにも取り上げられ、世界中の注目を集めました。

さらに原医師は、肥満になるとアリアケ菌が大幅に増えることも突き止めました。
肥満がガンに関係していることを示す重要な発見でした。
「腸内細菌をコントロールすることでガン予防がかなりの部分で可能になってくるのではないかと期待しています」と原先生は語っています。

これまでも肥満がガンと関係があるのではないかと言われていましたが、なぜ肥満がガンを誘発するのかその原因がわかっていなかったのですが、腸内細菌・アリアケ菌の発見でその原因の一つがはっきりしてきたのです。

人の幸福にとっての最大の敵は病気です。健康無くして幸せはありません。
お金で健康は買えませんが、「腸内フローラ医療革命」によって人類は大きな恩恵を得られるかもしれません。

人にとって許される「貪欲」があるとすれば、それは唯一健康に対する欲望と言えるかもしれません。
その欲望の強い人ほど幸せになれるとしたら、人は誰でも「病気にならない生き方」に関心を持つべきでしょう。健康は決して当たり前ではないのですから。

合掌

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