千葉県南房総館山市にある曹洞宗のお寺です。水子供養・永代供養・ご祈祷などのお申し込みは当山まで。坐禅体験もあり。

曹洞宗 正木山西光寺

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法話

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不慳法財戒 −惜しむことなかれ(その1)− 平成28年5月

仏教では、貪瞋痴(とんじんち)を三悪道といって最も卑劣非道だと位置付けています。
幾度も触れてきたことですが、改めて申せば、「貪」は貪欲のこと、「瞋」は怒り、「痴」は無知のことです。

人が自ら起こす不幸の原因のほとんどはこの三悪道すなわち貪瞋痴が原因だと言っても過言ではありません。
まさに身から出た錆び。
ですからこの貪瞋痴さえ無くせば人は誰でも自から起こす不幸はなくせるということになります。

そんな不幸に陥らないためにあるのが戒律です。
そのなかに十重禁戒がありますが、その第八番目が不慳法財戒(ふけんほうざいかい)です。
法と財とを慳(おし)むことなかれ、という意味の戒法です。

慳は慳貪(けんどん)という熟語のあることでもわかるように、貪欲心から他人に対してものおしみをするという意味です。
「法財」の法は教法(仏道)のことで、財は金銭や財物のことです。

われわれが他人に施し与えるものとしては、無形の精神的なものと、有形の物質的なものとの二つがあります。
その前者を法といい、後者を財と呼んでいるのです。
その何れをも他人に施し与えることを惜しんではならないというのです。

その真意はまさに「布施」と同義です。
おしむ心、ケチる心があったなら布施行はできません。
布施行なくして菩薩にも仏にもなれません。
そのための基本的戒律の一つがまさにこの不慳法財戒だと言えるでしょう。

御開山道元禅師は「真実求道の人の一人もあらん時は、我が知るところの仏祖の法を説かざることあるべからず。たとい我れを殺さんとしたる人なりとも、真実の道を聴かんとて誠の心を以て問はば、怨心(おんしん)をわすれ、是が為に説くべきなり」(正法眼蔵随聞記)と示されています。

かつては自分に怨みをいだき、自分を殺そうとしたほどの人であろうとも、真に仏道の話を聞こうという気持ちを起こし、誠の心を以て道を問わば、過去の怨みなど忘れて、その人のために、自分の知る限りの法を説き聞かせるべきであるというのです。
実に徹底した説示です。

「おしみ」はまさに貪の芽ですから、芽のうちに摘み取っておく必要があります。
貪は制御しないと、もっともっと欲しいという留まるところを知らない貪欲になります。
まさにガン細胞の如く無秩序に増殖し続け遂には自分自身を破滅に導いてしまうのです。

そんな"恰好な見本"が今回の舛添東京都知事の一件でしょう。
政治資金の私的流用疑惑に関する釈明会見を行いましたが、あまりにも見え透いた言い逃れに終始する姿に呆れてしまいました。

不正を指摘されて、訂正したので問題ではないと釈明するのは、万引き犯が「払えばいいんだろう」と開き直るのと同じです。
元東京大学教授で政治学者だといえば頭脳は優秀な筈です。
そんな"立派"な筈の人がなんとしたことでしょう。

前猪瀬都知事が金銭問題で辞職に追い込まれ、交代してからまだたったの二年程です。
前知事辞任の経緯を十分知っていた筈にも拘わらずまったく同じような墓穴を掘ってしまったのですから、これをバカと言わず何というのでしょう。

人はどんなに頭脳が優秀であれ、貪欲の猛毒に侵されると見境がなくなり、因果に則り奈落の底に真っ逆さまです。
経歴や地位、名誉などまったく担保にはなりません。
まさに「大凡因果の道理歴然として私なし」(修証義)です。

どんなに知識、経験があっても智慧がなければただの「知」にすぎません。
「知」が病に侵されたのが「痴」ですから、舛添氏はまさに文字通りそれを実証されたのです。
後悔先に立たず、只々不甲斐ない自分の「痴」に恥じ入るしかありません。

今世界から日本に来る観光客は激増しています。
その魅力は日本の特有の文化と美しい自然、おいしい食べ物と人の素晴らしさです。
ようやく日本特有の素晴らしさが世界に知れ渡ってきたのでしょう。

政府も日本の魅力をもっともっと売り出して、東京オリンピック、パラリンピックに向けてモティベーションを上げようとしている矢先でした。
東京は日本の首都、その都知事はまさに東京の顔です。

日本の魅力は文化や自然だけではありません。人の魅力です。
勤勉で正直で、親切だという評価は、日本は世界一安全な国だという評価にもなっているのです。
特に反日教育を徹底している中国からきた観光客の中にも、日本に来てみてイメージがまったく変わってしまったという人も少なくありません。

そんな日本を代表するような立場の都知事が、こんな情けない人間だと世界中に知れ渡ってしまったのですから日本にとってそのダメージは計り知れません。
経済的損失効果は如何ばかりか。
彼によって日本は顔に泥を塗られたも同然、まさに万死に値しますよ。

僅かの汚職で免職になり、数千万円の退職金をフイにした公務員みたいなものです。
地位の高い人ほど侮蔑と哀れみの眼差しに晒されるのです。
猪瀬氏同様彼の失ったものはあまりにも大きすぎます。
全ては目先の欲に負け良識の判断に欠けた結果です。まさに自業自得です。

それほど「貪」の毒は恐ろしいのです。
その貪の反対が「知足」です。それは「満足」であり「安心」です。
前々回の「法話」のなかで、人はどんなにお金持ちでも安心がなければけっして幸福ではないといったことを述べました。

その昔お釈迦さまや高僧たちが長生きされたのは質素清貧の中で信仰に生き心が満たされ「安心」されていたからです。
信仰生活の中で欲望を捨て去ることで不安やストレスから解放され、結果「悟り」という「安心」を得たのです。

人は「足ることを知らない」と欲望が欲望を呼び尽きることを知らなくなります。
それが餓鬼です。満足も感謝も知らない不安一杯の生き物のことです。
どんなに富めても、とどまることを知らない欲望、食欲に狂おしいばかりにさい悩まされ続けるそんな餓鬼が世界中にはあまた蠢いています。

そんな餓鬼の実態を暴露したのが「パナマ文書」なるものです。
世界の富裕層が陰で行っていた課税逃れの実態が赤裸々に晒け出されました。
世界には大金持ちがいるものです。金持ちは概して税金が嫌いです。
合法的に納税額が減らせる仕組みがあれば飛びつきます。

そんな合法的に節税できる仕組みを備えた地域や国が「タックス・ヘイブン」です。
世界にはおよそ30ヶ所もあるとか。そんな国パナマで、世界の富裕層の資産を「守って」きたある法律事務所が40年分、1,150万件の機密データーを白日のもとに晒したのですから世界は驚きました。

これにより世界中の富裕層や大企業、公的組織の隠し持つ資産規模、資金洗浄や税金回避の実態が浮かび上がったのです。
タックス・ヘイブンの利用で失われた推定税収額は、全世界で年間約10兆円〜25兆円とされます。

習近平からプーチン、キャメロン、ポロシェンコ、サルマン国王、アサドから世界の首脳の名前が続々でてきたとか。
指導者として国民から血税を取り立てながら一方プライベートでは巨額な裏金を国外に蓄えていたとしたら道義的にとても許せません。

習近平の隠し資産が数兆円とか、プーチンが2千億円とか。
汚職大国の中国で自ら汚職撲滅キャンペーンを行い政敵を悉く追放しておきながら自分ではとんでもない隠し資産を持っていることが分かったのですから、習近平という男やはりとんでもない男、イヤ餓鬼でした。

舛添氏が餓鬼だとしても、餓鬼にもレベルがあるもので習近平やプーチンなどはまさに別格です。
小餓鬼の舛添氏が糾弾され、巨大餓鬼の習近平やプーチンがお咎めなしだとしたら理不尽でしょうね?

その点も舛添氏本人に訊いてみたいものですが、やはり得意な「厳しい第三者の目から判断してもらいたい」と言われるのでしょうか。

紙面の都合上今回はこの辺にしておきます。

合掌

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