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座禅会-ZAZEN-  



  ・・・(2)

ある日、ガンジス川のほとりの村で、骨と皮ばかりの体を清めていた。
そこへ、村の娘、スジャータがきて、牛乳粥をくれた。
ようやく体力を回復し、近くのブッダガヤの地に移り、菩提樹の木の下で静かに瞑想に入った。
この瞑想が禅の始まりである。

彼は、ただの苦行は意味の無いことだと悟り、中庸を進むことを決めたのである。
その方法が座禅(禅定)であった。
実は、彼には修行仲間が五人いたのである。
彼らは釈尊が静かに座禅するのを見て、彼は苦行から脱落したのだと誤解した。
そんな男とは一緒に修行はできないとして、釈尊を一人残して彼らはベナレスという町へ
去って行ってしまった。

一人残された釈尊は菩提樹の下で黙々とひたすらに座禅を続けた。
そして六年目の12月8日、ついに暁の明星を見て活然と大悟された。
ブッダの誕生である。
シッダルタが如来、世尊になられたのである。
35歳のときであった。

「奇なる哉、奇なる哉、一切衆生皆如来の智慧徳相を具有せり。
只、顛倒妄想の故に知ること能わず」と喝破せられたという。
凡夫より覚者(仏陀)に解脱された。
聖者釈迦牟尼世尊の誕生であった。
全ての迷い、苦しみから解き放され大成道を確立されたのである。

無間の空間、無窮の時間を超越し、有形、無形を論ぜず、動物、植物、鉱物とを問わず、
凡夫と賢聖の別なく、全て等しく、そのままが如来の真実相であり、完全無欠の相であるという。
今日でも釈尊が悟られた地ブッダガヤは仏教徒にとって最重要な聖地であり、
釈尊が座禅された場所に「金剛座」が設けられ、52メートルの大塔が建っているという。

ところで、悟りを開かれた釈尊は、しばらくの間このお悟りの境地に酔いしれていたという。
そして、この深遠な仏法が人々に理解されることは困難ではないか、と思われ
自分の心の中に密かにしまい込んでおいて、他の者には語るまいとされたという。
しかし、そうであれば、せっかくの仏法もいずれ釈尊の死と共に消え去ってしまう。
それを知って梵天が現れ、人々のためにその法を説き示してくださるよう懇請したという。

梵天勧請と言われているが、このへんは神格化されたものであろう。
そこで釈尊は以前、共に修行をした者達ならばきっと理解してくれると思い、
ベナレスの地に向かった。
五人の比丘(修行僧)は遠くから釈尊が近づいてくるのを見て、
挨拶さえすまいと言っていたのだが、近づいてくる釈尊のあまりの威厳・威光に
圧倒されて合掌して迎えたと言われる。

そして、これら旧知の道友に対し初めての説法がなされ、彼らはたちどころに理解し、
帰依し最初の弟子になったという。
今では世界に何億もの仏教徒がいるが、最初はたった六人からのスタートであった。
以来、80歳で入滅されるまで、釈尊はインドの各地を説法して回った。
行雲流水の如く、三衣一鉢以外持たず、乞食(托鉢)、教化された。

ただ、雨期(四月中旬から七月中旬)には修行道場にこもり、修行をした。
それらの修行施設のことを精舎と言い、竹林精舎や祇園精舎がある。
施設内で修行することを安居(あんご)と言い、今でも禅宗の本山など
修行でお寺に入ることを安居と言っている。

こうして、45年の行脚、説法を続けて80歳になった釈尊は最後の旅に出た。
ガンジス川を渡り、北方の生まれ育ったカピラ城のある故郷に向かった。
途中クシナガラという町で滞在中、ある鍛冶屋の差し上げた物を食べ、腹痛で床に臥された。
それがもとでやがて死を迎えることになってしまう。

釈尊はいよいよご自分の臨終をさとり、最後の説法をされたのである。
それが遺教経である。
釈尊の説法が直に伝わってくるような実にありがたいお経である。
宗門では最も大切にしているお経の一つである。
2月15日が命日であり、各お寺では涅槃会の法要が執り行われる。

因みに、4月8日が誕生日であり、降誕会と言い、
お悟りを開いた12月8日を成道会と言い、これらを三仏忌と呼んでいる。
釈尊の示された仏法は、四苦八苦の現実をまず直視し、その認識を出発点としている。
そこから、苦の原因をつきとめ、苦しみを滅するための道筋を示された。
これが、四諦八正道の教えであり、仏教の基本となっている。

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