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仏教に関するQ&A

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水子供養に関するご質問

(※はじめこの件を載せるかどうか迷いました。今の時代「命」が大変軽んじられています。命の尊さについて考えていただければと思います。)

はじめまして。
つい最近、自分達の勝手でせっかくできた命を無駄にしてしまいました。
私は新しい命が自分のお腹にあるということが嬉しくてずっと産む方向で考えていました。
しかし、私も相手もまだ学生ということもあり相手と両方の親に反対され必死の訴えも届かず、泣く泣く中絶ということになってしまいました。
私は水子供養というものがあると知って絶対に供養しにいきたい、と思って彼に話したところ、「水子供養はしないほうがいい」と言っていました。

以前、彼のお母さんが供養しに行ったときに御住職の方からお話を聞いてお母さんは「しないほうがいい」と思ったらしく供養はしないで帰ってきたと言っていました。
彼から聞いたので御住職にどんなことを言われたのかは分からないのですが、したほうがいいのかしないほうがいいのか悩んでいます。

私としては、赤ちゃんがお腹にいると分かった時点で嬉しくてすごく幸せで今まで自分を一番に考えていましたが赤ちゃんの事を一番に考えるようになり私の一番の宝物になりました。
それに、いろいろな事情で一人で考え込んでいましたが赤ちゃんがいることで大きな支えになり勇気をもらいました。私はこんなにも赤ちゃんに幸せをもらってたくさん助けられました。
なのに私は赤ちゃんに何もしてあげることができなかったんです。
それどころか最悪なことに赤ちゃんの命を無駄にしてしまいました。

赤ちゃんは今、どうしてるだろうか?ちゃんと天国に行けただろうか?
今すごく赤ちゃんのことが心配です。
なので、どうしても供養に行きたいと思っているのですが、どうしたらいいのでしょうか?
話のまとまっていない読みにくい文章ですみません。

住職からの答え

大変辛い経験をされましたね。私もこのお話を伺って本当に残念でなりませんでした。
あなたも彼もまだ若すぎるというだけの理由だったとしたらまったく理不尽なことです。
確かに世の中にはいろいろな事情や理屈があるでしょうが、私はどれもはなはだ疑問に思うのです。
それは人の命が否定される理由など絶対にある筈はないからです。

誤解の無いようにあなたやあなたの赤ちゃんの立場から申し上げたいと思います。
それとこれから申し上げるのはあくまで私個人の見解ですからその点もご了承ください。
人間は皆人に生まれたいという尊い宿業宿縁のお陰で生まれて来れるのです。
ですから赤ちゃんにとって自分が生まれる権利は誰にも邪魔されるものではないのです。

「 私は新しい命が自分のお腹にあるということが嬉しくてずっと産む方向で考えていました。」 「嬉しくてすごく幸せで今まで自分を一番に考えていましたが、赤ちゃんの事を一番に考えるようになり私の一番の宝物になりました。赤ちゃんがいることで大きな支えになり勇気をもらいました。私はこんなにも赤ちゃんに幸せをもらってたくさん助けられました。」

あなたの優しさと幸せな気持ちが率直に語られていて大変感動しました。
そんなあなたの気持ちも理解されず若いあなたはただ大人達の言うことに逆らえなかったわけです。
仕方なかったとは言えあなたの心は決して癒されませんね。よくわかります。

そんなあなたの心が少しでも癒されるためには、あなたも希望しているように供養をすることでしょう。
彼のお母さんは大きな誤解をされているとしか思えません。
供養を否定する理由などまったく無いからです。 水子の命もまったく人の命です。
水子の命に想いを寄せて冥福を祈ってこそあなたの心は癒されるでしょう。
あなたの心が癒されなければ決して水子も癒されません。

供養とは「同事行」と言い、「これから一生私はあなたと共に生きていきます。」という契りを結ぶことです。
その一体感で水子もあなた自身も安らかになれるのです。その「安心(あんじん)」をもって「成仏」するのです。
しっかりした供養は智慧と勇気を与えてくださいます。
あなたの幸せを祈ります。

合掌

曹洞宗正木山西光寺